2001年7月31日

たいやき

引き続きミュートをつけての練習。音階、アルペジオ。少しずつ時間を増やしてきているので今日は約2時間程度。先日触れたようにミュートをつけての練習は音色・音質の変化への危惧が少なからず付き纏うと思う。しかし今回はそれを逆手にとって、今まで騙し騙し吹いてきていた「ブレーク」(本来音程、音量に対して連続的であるべき口の形が、ある音程間で切れていること)の部分を「地慣らし」してみようと思う。今まで音色の変化が耳について、アンブシュアを変えるのを少し恐れていた部分があるのだけれど、今回はその部分はミュートされているのであまり気にならない。結果はどうなるかわからないけど、とりあえず演奏感覚的にもっとニュートラルに戻していこう、というのが今回の狙い。面白いことに普通に吹いてよく外す音はより吹きにくくなっているので、発音をはっきり。もう一つ、リサイタルの録音を聴いても思ったのだけれど自分が思っているフレージングより息が早めにデクレッシェンドしていっているのが気になったので、おいしいタイヤキのように尻尾まで息をちゃんと使うこと。

まとめ

まあ一つの大きな通過点であった7月ですが、このまとめの部分はなんと2ヶ月後、9月になって見直しながら書いてます。もう本当に何なんだか…。ただ、言い訳を言わせてもらえるなら、ある程度期間をおいてこうやって忙しい時のことを反省してみるのも視点が変わってよいような気がします。演奏も聴きなおしてみましたが…まだまだかなり粗がありますねぇ。ただこの日記をつけ始めた当初の自分のレヴェルを考えると、こうやって(後々ながらも)日々の観察記録をつけていったことはやはり大きな成果があったように思います。その場あたりの無計画な練習だったら、もっとカタストロフになっていたんじゃないか。日記を書く、ということも一つのプレッシャーとなって長期間目的に沿った練習が出来た、というかやろうと心掛ける事が出来たような気がします。アーバンの習得、という観点からはおもっくそ遅れ気味ですが、この調子で来シーズンもコツコツ(というか、ゴツゴツ)やっていくこと。

2001年7月30日

構造改革

なんか流行の言葉なので使ってみたかっただけなんですが。昨日に引き続きミュートで練習。まず問題として考えられるのは実際にミュートのみで練習するとはずして吹いたときに何かしら音色・音質に影響があるのではないかという危惧。もう一点は、ヤマハのこのミュートは消音性という観点からはとてもすばらしいのだけれど、僕の楽器との相性か、高音域でのミュートなしでの音との音程差がかなり目立つこと。まず最初の問題は、この際練習しないわけにも行かないのである程度問題意識は持ち続けること。ピックアップマイクを通さず、そのままの音色で今見える問題点に対処すること。音程に関しても、まぁセルパンに比べればはるかに調整しやすいので、実際の音程の高低に合わせて今修正できるものは直しておくほうがよいかもしれない。全体として考えられる問題点を危惧するよりも、ミュートならではの効果を狙ったポジティヴな練習方法を考えたほうがよいと思う。ということで、今までの基礎練習を、すこし目先を変えた着眼点を持ってやってみることにする。詳細は明日。(こうやって結論を引き延ばすのも流行りに沿ってるみたいだ。)

2001年7月29日

練習再開

というわけで丸々10日間だらだらしまくったので(こういうところだけ有言実行)、今日から少しずつ練習を再開。これから一ヶ月は実家の生活のため、フランスから送ったサイレント・ミュートを使用した練習が主となる。以前も少しこれを使った練習を試みたのだが、今回はちょうどよい機会なので、これを使って効果的な練習を模索してみるつもり。アーバンをパリに置きっぱなしにしていることが判明。今日は久しぶりの練習なので音階を一時間程度吹いておしまい。

2001年7月17日

いよいよ。

リサイタル。ゲネプロはなし、という事でペース配分がなかなか難しい。打楽器も漸くそろった。という事でよくあるとおり本番まではばたばたと進行する。演奏は、というとまぁいつものごとく不満な点はいっぱいあるんだけど、この時点、この何ヶ月かの準備としては「自己」ベストだと思う。確かに毎回「完璧」を目指すことは必要だけど、このところ考えている「毎日の演奏が自己ベストになる」ということがこのような大きな演奏会で続けていけるかどうか、ということは長い演奏生活の中ではとても大切になると思う。実際的な点ではペース配分にいささか過敏になりすぎて、前半が調子が上がらなかったことが反省点。もう少し事前からスタミナ対策なり何なり、ちゃんとやること。まぁ、とりあえず一段落、という事でまたアーバンに取り掛かるつもり。その前に10日間ほど楽器を忘れて遊びまくる予定。

2001年7月16日

採点初体験

午前中に学校の金管楽器の試験官を急に頼まれる。採点ってのは結構難しいもんだと実感。その人の一年間の記録・成長を知らずにその場の限られた演奏で評価するということで、教育という観点からは試験って本当に意味があることなんだろうか、とふと思う。今日はピアノ合わせ。以前やったことがある曲なのでつつがなく進む。セッティングからなんからまとめてやらなければいけなかったので、効率的な練習はできなかった。明日打楽器は調達。ピアノも本番前に調律。リサイタルは、いよいよ明日。

2001年7月15日

カセットテープ

アンコールのためにRebotierの"Pourquoi tu m'aimes plus?"を持ってくる予定なのだが日本語のヴァージョンをどのように入れるか思案。誰かに頼むのも時間がないので、ラジカセを持ってきてタイミングを計りながら録音。カセットテープなんて久しぶりに使った。練習は本番当日とまったく同じタイムスケジュールで。リサイタルまであと2日。

2001年7月14日

スタミナ

今日から広島に滞在。大学でお世話になった先生を訪ねる。一曲ほどギリシャ語のテキストが意味不明だったのだが、今日その先生を訪ねて一挙に判明。しかも曲の根幹に関わる凄く大事な意味合いがあったので大喜び。練習は本番を想定して休憩も入れてスタミナ配分。選曲の関係でアップと本番の兼ね合いで随分と出来が変わるので慎重に。リサイタルまであと3日。

2001年7月13日

久しぶりに

今日は広島へ日帰り。残っていた事務手続きや挨拶その他で練習時間はあまり取れず。音階などを絡めながら一曲ずつチェック。リサイタルまであと4日。

2001年7月12日

日本上陸。

10日パリ発、11日成田着。今日は作曲家の松平さんとお会いして、今度のリサイタルで演奏する"Similation"を聞いてもらう。演奏の上で幾つかあったこちらのアイディアも許可をいただく。無事に終わってホッとする。曲全体のイメージが漸くしっかり固まったような気がする。この後実家へ。リサイタルまであと5日。

2001年7月 7日

もう本当に

色々と手続きを片付けて午後から練習に行った、ということは覚えているんだけれど、例によってこの日記、7月28日に書いてます。今回はコンピュータ系のトラブルで、決して怠慢でない、といいたいところなんですが、まあリサイタルでばたばたをしていたのもあったので、もう本当にどうしようもないですね。この7日と8日はとりあえず午後から練習。ということで日本編に移ります。

2001年7月 6日

歌う

午前から午後にかけて昨日済まなかった事務手続きを片付ける。ミュート一つ送るのにも大事になるのがテューバの場合イヤですね。リストがあらかたチェックできたので安心して練習。ロングトーンを含めた基礎練習と曲の練習は半々くらいの割合に収まった。昨日から少しやってみていることはどちらの練習にせよ、怪しい個所はきちんとした声量で歌ってみる事。特に現代曲で怪しいところはきちんと頭の中に音程が鳴ってないことが多いようだ。パリでは月曜日までしか練習できないので、残りの日にちは充実させる事。リサイタルまで11日。

2001年7月 5日

ちょっとだけ。

7時パリ到着。午前中は事務手続きをしようにも店が開いてない所も多いのでそのまま学校に行って昨日の基礎練習の続き。5月6月にやったことを少しずつ繰り返して漸く感覚が戻ってきた様な気がする。ちょっと安心して帰宅、仮眠。この2週間ほったらかしていた帰国準備など、もうそろそろ始めないと本当にヤバそうだったので、その後一日かけて片付ける。基礎練習は意地でもやること。リサイタルまで12日。

2001年7月 4日

猛省

朝7時の電車でカールスルーエへ。12時着。いつものパターンというか、場所を見事に間違えて、現地に到着したのは14時。試験は16時からなのでウォームアップ。試験はパスしたんだけれど、演奏は猛省を促す出来。幾つか悪いコンディションが重なってはいたんだけれど、集中する事が出来ず終止「?」を思いながらの演奏。ちょっとしたアクシデントから奏法自体に「?」をつけ始めると凄くこじんまりとした演奏になってしまう。リサイタル用にスタミナ対策を考えていた事もあるんだけれど、寧ろ基礎練習を長い間怠っている事からのメンタル&フィジカルな要素が大きい。試験後早速反省して幾つかの基礎練習をやってみる。1時発の夜行でパリへ。リサイタルまで13日。

2001年7月 3日

徹底的に。

今日は焦ってもしょうがないという事で、どうしても出来なかった部分を徹底的にやってみる。今まで重音やテキストは結構やってきたんだけど、演奏の合間(音符の合間)にテキストを挟む、というパターンはやった事がなかったのでなかなか取っ付きにくかったことが今更判明。暗譜するくらいの気持ちでじっくりとやってみる。後少しだけれど練習パターンとしてはこの方法が正解だろう。昨日がむしゃらとは言え練習したお陰で多くの曲は感覚が戻ってきている様だ。明日はカールスルーエの学校の来年度の入試。リサイタルまで14日。

2001年7月 2日

数え間違い

本当に久しぶりにリサイタルの曲の練習。練習日記としても久しぶり。とりあえず吹いていなかった曲を練習してみる。かなり長い間ほったらかしていたのでクオリティが随分と落ちている曲がある。それぞれの曲を何回も繰り返して感覚を取り戻すので精一杯な一日。リサイタルまで15日。いつからか日数を数え間違えている。余計焦る。

2001年7月 1日

残高

いよいよシーズンも終わり。リサイタルを含めて一つの区切り、といった月。さて、今までの練習はちゃんと効果が出るんでしょうか?

なんだかんだ言っているうちに7月。6月は怒涛の様だった。今日は友人関係の家でサロンコンサート。テューバでサロンコンサートってのもなんだなぁ、と少し気が引けていたのだが、聴きに来てくれた人はとても面白かったようでホッとする。録音を聴いてチェック。思ったより出来ている部分もあるけれど、ここの所きちんとした基礎練習をやっていない事が良くわかる部分もある。残高がゼロになっている感じ。ここから先はクオリティを上げる為には曲の練習をいささか減らしてでもベーシックな練習を取り入れる事。リサイタルまで後18日。