2002年5月31日

反省会。

 先日、今日と恒例の書類関係で練習が滞る。譜読みは少しずつ前進。ややこしい曲のときは基礎的な演奏法にまで注意が届きにくいので、ヴォーン・ウィリアムズの中の幾つかのフレーズを丁寧に練習することを導入する。

 前回と同じように週末、月末には簡単に反省会を。今月は始めて間もないのであまり書きようが無いんだけれども、前置きに書いた基礎的な(音質、音色)の問題点についてはやや向上が見られる。このペースで続けていくこと。前述のように譜読みや本番の時にはこういったことは考えてられないので、基礎練習の時に重点的に考えていくこと。そうでないといつまででもロングトーンをしている羽目になるし、それだけをやっているわけにもいかない。
 基礎的な練習に関しては音階をやはり全面的に。今回はコードと半音階を付け加えているのでトータルで一時間といったところに収まっている。調子に乗って色々付け加えないように。もう一点、長期的に続けるためにも「毎日必ず」やる、という風にあまり思わないこと。重荷になるとどうしても続かなくなる。今月、来月を通して週末は学校が試験関係で使えないので、その時間をきちんと自宅でセルパンに当てること。

2002年5月29日

白紙。

 週末のビッグバンドの仕事の後、突然呼吸系の筋肉痛に。先週レッスンの時に背中の筋肉が緊張しすぎということでマッサージをされたんだけれど、そのリアクションが今頃出てきたらしい。遅いよ、とかなんとか言ってられないほどきつかったので、週初め2日はまともな練習は殆ど無し。
 色々な曲をほったらかしにしていてはまずい、ということで去年結構手をつけていながら結局挫折していた「voix capitives」を再開することに。はじめの2日くらいは全く白紙に近くなっていたので落ち込んでいたけれど、少しずつ身体が思い出してきているようだ。
 今日は筋肉痛にも関わらずテアトル・アンストルモンタルの授業の演奏会。各自バラバラのネタを上手く演出で一つの舞台にまとめた先生には脱帽。僕はルボティエの曲を何曲かやったんだけれど、一曲もう二年くらいやっている曲中ではじめて頭の中が一瞬「白紙」に。しかもいままで全然突っかからなかった場所での度忘れなので本当に慌てた。結局続きを思い出して後は何とかなったんだけれど、こういうのは対処法を思いつけないので結構怖い。次には大丈夫かもしれないし、また別の場所でやるのかもしれない。まぁ、フランス語でアドリヴかませられるようになればいいんだけど、そのほうがなんとなく険しい道のような。

2002年5月26日

屋外

昨日、今日は年に数回手伝いに行っているビッグバンドの演奏。外での演奏のハプニングの定番、雨と風を両方久しぶりに味わう。これがまた小憎らしいくらいいいタイミングで、吹いていないときはぴったり雨も風もやみ、演奏を始めると途端に変貌するのには参った。
 というわけで基礎的な練習はなし。in Bbの楽譜は相変わらず移調がつらい。そういえばこの時期は必ず外での演奏の仕事が入ってくるし、(ここ近年だと)かなりの確率で雨だ。何でだろう?

2002年5月24日

喧嘩相手は。。。

 午後にテューバのレッスン。いつもどおりのエクササイズをやっているんだけれど、音のアタックのタイミングはだいぶ良くなってきたような気がする。以前は癖で息を吸ってから音を出すまでの間一瞬止まっている部分(恐らく無意識に音を狙っていたんだと思うけれども)があったけれども、これが少しずつ改善されている。この癖は結構自分で気がつきにくく、昔から何で狙った音を外すことが多々あるのか不思議だったが、結局のところ息を吸う→音を狙う→一瞬息の動きを含んだ体の動きが止まる→その時点で実は狙った音を出すためのポジションは崩れているといったところが原因のようだ。当然かなり前からの癖なので、完全に直すにはまだまだ時間がかかるけれども。
 曲は何曲もつまみ食いしていても一向に進まないので、ほったらかしにしていた第一号「voix captive」を終わらせようと決心。譜読みを再開したんだけれど、あまりの難しさに既に挫折しそうな予感。喧嘩売った相手を間違った心境というのはこんな感じなんでしょうか?とりあえず最低1週間はあがいて、それから考えよう。
基礎練習し関してはおおむね良好。コードとアンスピレを優先的に。

2002年5月23日

物凄い勢いで寝てしまったテュービストの数→(1)

なんだか物凄い勢いで寝てしまったので(どっかのスレタイみたいだ)午後から練習。いつもどおりの音階、スラー、などなど。音階練習に加えてコードの練習を取り入れる。これは前からやらなきゃやらなきゃと思っていながらほったらかしていたので、今回はちゃんと気合を入れてやっていきたい。
 新しい要素を練習するとき、一つ一つを完全に覚えこみながら段階的に進むのと、ある程度のユニットを何回も繰り返して、その繰り返しによって覚えこませていくのとどちらが効率が良いのか良く悩むんだけれど(例:長音階は一つ一つちゃんと覚えてから進むべきか、12個全部を間違えながらも繰り返し行うべきか)、今回のコードに関しては一つのエクササイズは10回まで突っかかりながらも繰り返し、その後やばい部分を今度は一個一個潰していく、という方法を取ろうと思う。勿論10日くらいかけてやるんだけれども。
 今のところ上記の基礎練習はトータルで一時間半くらいかかる。途中で注意力散漫になってしまい効率が悪くなるので、どうしても一回休憩を取らないとダメなのを何とかしなければならない。曲に関してはなんだか色々な曲をつまみ食いだけしてほったらかしにしているので、ここらでどれかきちんと決めなければ。
 夕方金管バンドの練習に出て、再び物凄い勢いで眠りにつく。

2002年5月22日

ながら。

 学校で取っているテアトル・アンストルモンタル(演劇的要素の入った音楽の講義)の演奏会が近いので、授業もその準備が多くなってきた。その演奏会ではルボティエの曲を何曲か演奏する予定なので、今日はコントラバストロンボーンを持っていく。なんだか随分テューバを吹いてない気がするんだが。昨日までのチンバッソの影響もあってか、音が随分と出しやすい(ポジションは相変わらずあやふやだけれど)。午後からは空きだったので、本当に久しぶりの感じがするけどテューバを練習。息の使い方はトロンボーン系に比べて随分ソフトな感じだということを改めて実感。もちろんテューバのほうが楽だと言うわけではないんだけれど、出来ればこのまま継続してトロンボーン系の楽器を練習してみるのもいいかもしれない。
 もう一つ興味深かったのは各種特殊奏法のやり易さが同じマウスピースを使っていても全然違うこと。スラップがテューバのほうがやり易いのは管体がより響きやすいからということで判るんだけれども、アンスピレはチンバッソのほうが明らかにやりやすい、というのは何でなんだろう?
 音階練習はだいぶ勘が戻ってきてスムーズになりつつある。今のところまだ「今は何調」とどこかで意識を張ってないと出来ないんだけれど(その証拠にオケのピットで色々な音が周りから聞こえてくると途端にガタガタになる)、もっとオートマティックなところまで持っていきたい。コーヒー飲みながらとか。無理だけど。

2002年5月21日

チンバッソの謎

 昨日は祝日でおまけに学校も使えなかったので休み。今日はルーアンのオペラの本番。僕はエキストラで今日が最終日。チンバッソは結局最後まで「?」な印象が拭えなかった。特に音程の問題。今回使った楽器は2番にトリガーがついているんだけど(親切だ)、トリガーで最大限管を長くしようとしても構造上トリガーが枝管にぶつかってしまい、最大7ミリくらいしか変化しないので(不親切だ)、何を持ってこんなシステムをつけているのか、理解に苦しむ。構造上の問題でいうと、チンバッソやコントラバストロンボーンはなぜか主管の唾抜きの密封性がいまいちなんだけど、何でなんでしょうね?
 とはいえ、都合一週間くらいこの楽器を練習して、少しコツがわかりかけた感じだったので今日でおしまいなのはちょっと残念。さっきちょっと触れた音程に関しては、「なんか違うな」と思い始めると他の人の音程全部が正しく聞こえたり、あるいは全部違って聞こえたり、だんだん深みに嵌っていってしまう。上手くいっているときには全然疑問にも感じないんだけれども。今回は楽器の性格上まさに4番トロンボーンだったので、(いつも横にいるんだけれども)トロンボーンセクションのハーモニーワークは大変なんだなぁ、ということを改めて実感。テューバでやっているときよりももっとシビアな感じがする。
 練習に関してはいつもどおり、音階、スラー。特殊奏法はアンスピレを優先的にやっていこうと思う。
 しかしこのチンバッソ、イタリアもののオペラ以外で使うことってあるんだろうか?昔一回新作初演で使っていた人がいたけど。

2002年5月19日

余裕を持って。

 今日はオペラのゲネ。休憩を入れて約4時間ちょいといったところ。問題なのは開始時間の4時間前に着く電車しかないことだ。本当かよ。まさか遅れるわけにもいかないので(当たり前だ)16時からの練習なのに10時に家を出る。
 まぁこれだけ時間があるとゆっくりと練習が出来る。いつもの音階パターンとスラーに加え、特殊奏法のいくつかもきちんと練習できた。
 しばらく休んでいた日記の間に一つ加わった練習法(というか、癖)は、どのエクササイズでも必ずやったら印をつけること。これによってかなり継続するし、どこが弱いのかもはっきりわかるようになる。この方法を音階練習ではdiderの教則本で改めてチェックしていくことに。
 特殊奏法に関してはやはり少しずつまめにやっていくべきだ、ということで、以前書いた覚書を基に練習法を組み立てる。使うベースは単純に、faの音から半音ずつ下がる、必要のあるときは上にも上がる、これだけ。練習するテクニックは
・スラップ
・アンスピレ(吸って音を出す)
・循環呼吸
の3 つ。これらは最近コーディネーションのエクササイズをやって気がついたのだけれど、普通の演奏法が自然に行えていないと凄く難しく感じる。逆に言うとこの練習法である程度掴むことが出来るかもしれないので、全部とはいわないまでもいくつかはピックアップして続けていくこと。

2002年5月18日

背反。

 午前中にレッスン。昨日帰宅したのが遅かったため、眠い。というか遅刻。
レッスンではいつもの通り身体のコーディネーションのエクササイズを行う。良い状態がどういうのもなのか「感じる」ことが大切だが、そのために意識的にどこがどうなっているのかを「判断」することは、その判断によってまた違った緊張状態を呼ぶことになるため、これは避けなければいけない。という背反した要素がとてもわかり難い。書いていても少しこんがらがっちゃいますね。
 このように頭、というか意識で判断することは、やめようと思うと余計に働いてしまって非常にタチが悪い。またこのエクササイズとそれに繋がる基礎的な演奏法のことを考えると新しい曲の譜読みが全く進まなくなってしまう(いちいち気になってしまうので)。もう少し割り切った態度にするべきだろうと思う。
 

2002年5月17日

結局何の話?

 今日もオペラの練習。ルーアンはパリから電車で一時間少々の場所なんだけど列車のダイヤがかなりスカスカなので結局一日がかりになる。個人的な練習は練習開始前の音階練習のみ。
 チンバッソは2年位前に学校の副科をとっていた以来久しぶりだったのでなかなか感覚が掴めない。今回は編成上の都合も含めて大体においては小さめのダイナミックスで吹いているんだけれど、ちょっとオーバーブロウすると凄く目立ってしまうのでなかなか難しい。小さく吹きすぎると今度はなにやってるんだか自分でも判らないし。しかしこの楽器での息の使い方はテューバよりもシビアな分、テューバに戻った時に非常に役立ちそうなので、アップを含め基本的な練習を重点的に行う予定。
 ピットからは当然舞台が見えないので、上に出ている翻訳をちらちらと見ていたんだけど、あらすじが全然わからない。帰宅してネットで調べて読んでみたんだけれど、余計判らなくなった感があり。まぁ、楽しいし、美しい場所がふんだんにあるので別にいいんだけど。

2002年5月16日

心機一転

というわけで、練習日記を再開。(しかし、心機一転って題名はもうかなり何回も使っているような。)
前置きにも書いているように最近主にやっている事はなかなか文にしにくいことと、結果は2年、3年先にならないと出てこない、ということでここに記すことはあまり無いかもしれない。焦らず続けていければよいのだけれど。
 2日前からルーアンのエキストラの仕事が始まる。オペラ初体験。おまけにチンバッソを本番で使うのも初体験。楽器が現場にあると移動が本当に楽に感じる。
 チンバッソという楽器はなかなか聞きなれない名前だけれど、これはコントラバストロンボーンにヴァルヴをつけたものと思っていただければよいと思う。ヴェルディなどのオペラで多用される楽器。逆に言うと特定のジャンル以外では殆ど見かけない楽器だ。吹いた感じは個人的にはコントラバストロンボーンよりもきつい感じ。(当たり前のことだけれど)トロンボーン群との相性は素晴らしい。ともかくしっかり吹かないと音にならないので、オケの譜面と同時に基礎練習を多くこなす。
 今日は練習なしの日だったのでテューバを練習。日記再開ということで以前からの音階練習を丁寧にやってみる。もう一つ、先日練習していて気が付いた特定の指のコンビネーション(1-2-1-12のリピート)が恐ろしく鈍かったのでこれも暇があったら繰り返すことに。これは楽器が無くても出来るので毎日少しずつ続けること。

2002年5月14日

再開にあたっての前書き

 どうもお久しぶりです。と日記に書くのもなんなんですが、板を変えて心機一転、練習日記を再開します。日記をサボり始めてもう3ヶ月も経ってしまいましたが、正確に言うと日記をサボっていたわけではなく、練習をサボっていたわけです。どっちにしろダメダメなんですが。
 一応ここまでの経過をクロニクルにすると、2月いっぱいはオーディションのためその練習にかかりっきり。3月の頭のオーディションの結果はファイナルどまりで、これについては残念な気持ちと、あの時点ではあのレベル以上には出来なかったという気持ちで、さっぱりしてるんだかどうなんだか、錯綜してますね。今でも上手く整理できていない、というのが正直なところだけれど、気持ちを切り替えて、と無理に思い込むよりもうちょっと抱えて(言い方を変えるとほったらかして)良いような気がする。こんな所にもダラダラ感が既に垣間見えてますが、その後「まぁ、とはいえあれだけハードに練習したから、ちょっとヴァカンス」と思ってしまったのが始まりで、仕事をこなすための練習はしていたけれども、基礎練習や、今後のための発展的練習に関しては殆どゼロではや一ヵ月半。いくらなんでも、ということで新しく練習を再開するために日記を再開。変な話だけれども以前に日記をつけていたことが逆に今回もう一度練習をきちんとはじめるきっかけになったような気が。

 昔ある人に「30を過ぎるとなかなか劇的には上達しない」と言われて(そのときは「だから若いうちにきちんと練習しなさい」という文脈で)、なんかミもフタもないなぁ、と思った記憶があるんだけれど、30になった今、それはある意味本当だと思う。それは本人の問題というよりも寧ろ外的な状況からくるもので、来る仕事のための準備の時間が大幅に増えてしまって、なかなか本当に本人のための練習を取る時間というのが少なくなってくるのは確かだと思う。加えて抱えている問題に対して何か根本的な改善をしようと思うと、仕事においてのクオリティーの維持、という面でかなりリスキーなものを背負うこともあるのかもしれない。
 しかし、どうしようもないことなんだけれども、僕は既に30を超えてしまっているし、まだ(ある意味においては)劇的に上手くなりたい、という野望(妄想)を抱いている以上、色々手を尽くして見なければしょうがないじゃんか、ということになる。そこでこの日記の本来の趣旨、「練習して、見返して、練習法の問題点を改善し、さらに効率よく上手くなる」という原点に返って練習を再開すること。しかし、「効率よく」って聞く人が聞けば憤慨しそうな感じだよなぁ、なんとなく。

 というわけで、現状分析。現在自分が抱えている問題点は、やはり音質。息の使い方がまだ効率的でない。折りよく今のプロフと授業でやっているのは「身体のコーディネーション」と名づけられた幾つかのエクササイズで、これは息の使い方を捉えるのにとてもよい。ただし物凄く長いスパン(2年とか3年くらい)はかかり、文章化するのは凄く難しいので、ここではあまり触れられないかもしれない。なんか怪しい宗教みたいだけれど、要は息の扱い方のイメージをどう捉えるか、といったものをちゃんと把握できていない自分が説明できない、というだけです。テクニック的にはスラーをもう一度根本から見直すべき。音階に関しては去年ささやかだけれども進歩があったのでこれを継続。特殊奏法の練習をデイリーエクササイズにすること。

というわけで、再起動。よく考えると確かに「フリーズ」してたよなぁ、ここんとこ。