2004年12月26日

練習日記を返し読みしながら考えた事。

その四、その伍(完結)はそのうちアップするとして。毎日の練習で毎回新しい発見があればよいのだけれど、本来その大半は「積み重ね」に相当する部分が多く、内容として結果的に「何を練習したのか」、ということより「何をやったのか」、という備忘録的な要素が多い。意図して備忘録的に使ってみていたところはあるのだが、後から省みると出来事自体は「フーン」で済んでしまい、練習に於いて何が問題であって、どういう解決プランを立てて、どういう結果になったのか、という観点から検証しづらい(特に後ろの二点)。という事で、来月辺りからは日記のペースを落として(もう充分落ちきっているという説もあるけれど)月単位くらいでどういう練習の推移があったのかをもう少し詳しく残していこうと思う。

2004年12月18日

練習日記返し読みその参

マッチポンプ企画第三弾。2001年6月。この辺りから日記記入の遅れが常習化していますが二度とその話題には触れないで下さい。臥してお願い申し上げます(泣)。興味が引かれるのは長2度のインターヴァル(C-D-C#-D#…)の練習はこの一時期集中してやって後はほったらかし、の感があるのだが、この音型は今でも割りと悩まずに指が覚えている。ものによってはこのように「ユニット化」が可能な練習もあるということだろう(個人的には全音音階もそうだった)。逆にタンギングのように放って置くとどんどん鈍っていくものもある。この辺りの見際目をもう少しはっきりとすべき。デイヴ・バジェロンのマスタークラスで彼が「art」より寧ろ「craft」という言葉に重点を置いて話していた、というのを再読して再び同意。個人的に、音楽にしろ美術にしろ craftsmanshipの見られないartにはあまり関心が無い。
2001 年7月。「ブレーク」(本来音程、音量に対して連続的であるべき口の形が、ある音程間で切れていること)について初めて触れている。これ以降日記で触れたことはあまり無かったように記憶しているが、これは今に至るまで完全に解決できていない問題の一つである。自分自身のケースで言うと中音域のG-Aの間を上昇するときだけに「ひっかかり」があって、これを均すのに色々試してはいるのだけれどいまいち納得がいかない。思うに普段使っている2つの間の通り道と別の、より広くて距離が短いショートカットのようなものがあるのかもしれないけれど、いつも迷ってしまう、そんな感じ。

2004年12月17日

再掲

#レ-#ファ-ラ-#ド-#レ-#ファ-ラ-#ド-#シ-#ソ-#ファ-#レ-#シ-#ソ-#ファ-#レ-#ドー。あ゛ーーーーっっっっ!
と相変わらず異名同音に逆ギレする最近の若い世代。(挨拶)
返し読みをしているとタンギングに関する怖い予言があったので試しにアーバンを引っ張り出してやってみると見事に成就している。こうなったらやらんわけにはいきませんよ、という事で今日からメニューに再掲。時間を15分に区切ってタイマーをかける。そうしないとまた逆上して訳わかんないことになりそうなので。個人的な印象ですがタンギングの練習における逆上ってゲーセンで対戦格闘ゲームやってて乱入されてズタボロにされたときの気持ちに似てませんか似てないですかそうですか。

2004年12月15日

練習日記返し読みその弐

マッチポンプ企画第二弾。2001年4月。この頃は在仏4年目で、春になってもまるっきり暖かくならない気候への悪態が目立つ。アーバンの第二巻の練習内容は今後使うときに中々使えそうなので取っておこう。この頃からテューバ以外の楽器をコンスタントではないにせよ練習する機会が多くなった。その辺りの試行錯誤は今に続いているが、奏法をどの辺りまで共有できるか、といった点がキーポイントになる。息を吸い込んで唇を振動させる、という点まではテューバ、セルパン、コントラバストロンボーン、チンバッソともに共通はしているものの、音色へのアプローチ、フィンガリングだけは如何ともしがたい。一つの可能性としては、それこそアルペジオ、スケールなどの基本的なフォーマットを一つの楽器(例えばテューバ)で習熟して、それぞれの楽器に持ち替えたときには先の 2点のみに問題を集中させる、といった方法か。
 2001 年5月。開始2ヶ月にして早くも日記の遅延が見られる。ははは。悪いか?(開き直り)。「タンギングは特にサボると後退が激しい。」などと怖い事がさらりと書いてある。そういえば最近この手の練習から遠ざかっているような。装飾音関係の練習で結構苦労していたようだ。この手の練習は実際の演奏で使う機会が極端に限られ、更にテューバの場合だとスラー、フィンガリングが枷になり冗長になって優雅な「装飾」に程遠いな、と思って止めてしまった記憶がある。一方セルパンでレパートリー開発をするためにはこの手のテクニックは難易度がどうであれ必ず超えなければならない壁になるはずで、今後もう一度しっかり取り組むべき課題だろう。この頃やったツェルシのオケ曲の中の変わったミュート指定、1.ミュートの出口(朝顔の方)に布をはっつけて、それをひっくり返し(つまり布がかぶっている方を下にして)、ミュート。2.布を楽器のベルに直接覆いかぶせて、ミュート。というのは今思い返してみると本当になんじゃこりゃ、である。他に使い道、無いだろうなぁ。しかしこの頃から応援しつつも来年はもう無いかもしれない、とはらはらしていたF1ミナルディが未だ健在(健在とあえて言い切ってしまおう)ということに一番感動した。

2004年12月14日

練習日記返し読み

足が痛いからとだらだら寝ていても世は師走でなんだかとっても申し訳ない気がしたので、サイトのあちこちの修正を試みたりしていたわけだが、自分でもすっかり忘れていた練習日記の過去ログにも手をつける。気がつくと練習日記をつけ始めてから早3年と8ヶ月が経過し(後半になるにつれ怪しい雲行きになっていったわけだが)、改めて読み返してみるとそれなりの心境の変化なり新たな反省事項なりそんな昔の事知るかバカみたいな気持ちにもなりで新鮮だった。以降月ごとに今の目で気がついた点を少しずつ取り上げていこうと思う。マッチポンプな気がしないでも無いが。
2001 年3月。基本的にやっている事はあまり変わらないわけだが、この頃既に昼寝やら寝坊などの重要キーワードが頻出している辺りに心が和む。メニューを拡大しすぎて収拾がつかなくなる点も既に芽生え始めていて微笑ましい。サイレントミュートを使って練習する際のメリット・デメリットに関してはそういえば最近すっかり忘れていた(今手元に無いんだけれども)。このミュートは音程に関しては(特に高音域で)リアルな音との乖離は激しいのだけれど、その消音効果は素晴らしいものがあると思う。また、リップスラーなどの練習では余計な抵抗がつくので、一種のウェイトトレーニングととれば一定の効果が得られるのではないかと思う。そうそう、つい最近も書いた異名同音が腹立たしい、という意見も既に見られる。…なんかあんまり成長が見られない気がするんだが。

2004年12月13日

足が痛い。

3日前から突然左足を挫いた状態に陥って歩行もままならないことに。その前日から軽い予兆はあったのだがこういう事態になるとは予想していなかった。大体何が原因なのかもさっぱり判らないので、大人しく寝っころがって事態の推移を見守るより外無い。本番前日に降って湧いたようなこの災難は世に言うところの「余を陥れるための政治的陰謀」であるところは疑いない。全くやれやれである。
 幸い二日目には大分痛みも収まり、何とか演奏会は遂行できそうだったので調子こいて会場に行ったはいいものの、その翌日には痛みが通常の3倍の速度で訪れ、ホワイトベース乗員を震え上がらせたのみに留まらず再び何も出来ない状態に。
 というわけで何日間かは緩い練習でおしまいということになりそう、と密かにほくそえんでいるのは内緒だったりする。

2004年12月10日

異名同音

練習の内容はあまり変わらず。以前は五線譜にきちんと書いていたんだけれど、段々めんどくさくなって結局最近は封筒の裏にメニューを書いてある始末。ま、わかりゃいいんだけれど。
一応自分で決めた30分から40分のメニューは毎日こなし、時間的なものを見てヴィズッティの教本をやる事にしている。此方は大体3周目くらいでどれがさっと手に入り、どれがそうでないかは段々見えてくる。出来るものはフォームを覚えてなるべく暗譜で出来るよう心がける事にする。
自分で決めたメニューの中ではアルペジオがかなりのウェイトを占めているけれど、これは結構慣れで出来てくる。しかしながら指は段々勝手に動くようになるのだけれど、頭でソルミゼーションしながら吹く、となると途端に事情が変わってくる。これは僕個人の問題なのかそれとも金管楽器奏者全般に通じるものなのかちょっと判別しがたいけれども、B管、F管などのフラット系の楽器を使っていると「A#」といった異名同音に如何しても違和感がある。個人的には「E#」なんかは凄く許せない奴に思えてくる。頭で「ミ」と鳴らしながら指が「ファ」という状態に全然慣れていないわけだ。「F#」「Gb」なんかは全然違和感が無いわけだから単に慣れの問題というのはわかってはいるんだけれど、それにしても忌々しい。
同じようにソルミゼーションとフィンガリングの問題で結構嫌なのは 1/4音の音程。「Fの1/4音高い音」と「Gの3/4音低い音」が同じ音程である事は判っていても、曲の中でばばっとでてくるとなんと呼んでよいのか判らずあたふたする事がある。ましてや「Eの3/4音高い音」と「Gの3/4音低い音」の音程差は?とか考えちゃうと「ハーごちゃごちゃうるせー(泣)」の世界である。困ったもんだ。

2004年12月 6日

楽器演奏ロボットについて。

このところ風邪気味で楽器が吹けなかった代わりにサイトの更新が捗るってのもどうかと思う(挨拶)。
風邪をおして仕事に行ったら屋外(激寒)で移調読み(in Bb)でえらい思いをした。移調楽譜というのはもともと演奏を簡便にするために行われているはずなのに、どこをどう間違うとこういう歴史の末路を辿るのか?
 というわけで練習もきちんと出来てないので、少し小ネタを出してみる事にする。
たらたらとネットを見ているとトヨタ、「愛・地球博」ロボットショーを公開のニュースが。ついにチューバを演奏するロボットが開発された。リンク先では画像も見れる(要Quicktime)。
まずは「それじゃまるで機械の演奏だ」というようなフレーズを言われるとき我々には参照となるものが無かったわけだが、ここについに「機械による演奏のチューバ」を耳にする事が出来るようになった辺りを素直に喜びたい。それで、実際のロボットの演奏はどんなものなのか?
 正直びっくりしましたよ。特にトランペットはグリッサンド付きでハイノートを楽々(ってその辺りは本人がどうなのかは知らない)当てているし、チューバも片手で軽々(ってその辺りは本人がどうなのかは知らない)と持って軽快なバスラインを演奏する。音は実際どんな感じなのか判らないけど、本来アシスタント・福祉・製造をサポートする目的のパートナーロボットがその開発過程でここまで出来るのは凄い事だと思う。本来の目的とは大幅に異なるけれども、これまでの成果から(客観的なデータが提示しにくい)金管楽器奏法についてかなり突っ込んだ事を考えられるのではないか。
2005年日本国際博覧会ではトロンボーン、ホルンも加わるということなので、引き続きチェックしていきたい。トロンボーンのスライドをどう扱うのか、非常に見もの。