2011年6月28日

セルパン種々

kastner-serpents1.jpg

1848年、ジョルジュ・カストネール(カスネール?)Georges Kastnerの著書「軍楽総合教本(Manuel Général de Musique Militaire)」に掲載されている数々のセルパンについてのイラスト。この頃はセルパン、オフィクレイド、チューバが入り乱れた過渡期なので、色々な種類のものがありますね。左上から順に、


  1. セルパン

  2. セルパン・ドロワ、セルパン・バッソン、オフィバリトン

  3. (バッソンの形をした別タイプの)6キイのセルパン

  4. バッソン・リュス

  5. (別タイプの)バッソン・リュス

  6. バス・ダルモニー(オーストリアの楽器)、コントラバスーンの優れた代役

  7. 6キイのセルパン(別タイプ)

  8. 6キイのセルパン(別タイプ)

  9. オーストリアのコントラバスーン

(7/4)追記:さっきイラストを眺めていて気がついたのですが、8番はまんまオフィクレイドですよね。これは単純にキイの数に由来するのか?5番もバス・ホルンという名で呼ばれるときもあります。深まる謎...。

2011年6月25日

車検

日本に帰って来てから一年くらいは、車を持たずに必要なときに借りる生活をしていたのですが、ひょんなことから廃車予定の車を譲っていただけることになって早6年。2回目の車検を今日無事に終えました。

チューバをやっていて切ないのは、楽器がそこそこ大きくてよいお値段がするのに、それに加えて車の購入を考えなければならない点。F管とC管が必要なときはやはり車があると便利だし、最近はセルパンやらトロンボーンやら変なミュートやらを一緒に持っていくときに大変重宝します。
そういった訳で、車を選ぶ基準が「楽器がどのように入るか」という大変実用的な部分一本に絞られてしまう訳です(逆に、楽器を買うときに「ウチの車に入るか」という条件を考える人も居ると思います)。今日車検をお願いして代車をお借りしたのですが、その軽自動車は割りと最近のモデルで、中の居住性やら運転やら、なんというか凄く気が利いていて運転していて快適なのですが、惜しむらくは多分ウチのC管が横に入らない。
外見はだいぶんへたれて来ていますが、ウチの車は大切に乗って、もう少しチューバを運んでもらわなければならないようです。

2011年6月13日

輪になって踊ろう

Orchesographie先週末は前々から気になっていた、ルネサンス期のダンスのワークショップに参加してきました。
普段は舞曲などを演奏する立場ですが、やはり実際にステップに沿って体を動かしてみると、超初心者ながらそのリズムに得心がいきますね。それから例えば7小節フレーズに聴こえるような楽節が実際にどのようなステップなのか、ちょっと納得がいった気がします。今日はブランルやそれからの派生の幾つかのダンス、サラバンドなどの基本のステップを教えていただきました。しかし見た目には楽しげに見えるこれらの踊りも、実際に半時間ほど踊ってみると結構足に来ます。きっと当時も「ダンスは貴族社会には必須だけれど、足に来るからなぁ」とか思ってた輩が居たと思う。居ないか。兎も角も、楽しいし色々考えされられるしで、これからも筋肉痛に負けず続けていこうと思います。写真は1589年に出版された舞踏の指南書「オルケゾグラフィ」の一ページ。ちょうどセルパンが発明された(とされる)年代とほぼ同じですね。

2011年6月11日

静物

still life.jpg昨夜の演奏会にお越しいただきました皆様、どうもありがとうございました。
さて、昨日の演奏会ではヴァイオリン、リコーダー、オルガンは当然なことながらオーソドックスな編成なのですが、ここに稀に(団体によると思いますが)打楽器が入ります。が、多分セルパンが入るということは歴史的に考えると「あり得ないという風に断言することはできないという意見があることも承知している」くらいの「稀な」ことで(なんだか政治用語みたい)、練習は毎回シビアでしたが、大変楽しかったです。今後もこういった編成で演奏の機会が増えるといいなぁ。写真は今回使った楽器を大集合させて取ってみました。ちょっと静物画みたいじゃないですか?

2011年6月10日

06/10 明日への道〜17世紀イタリア・スペインの器楽作品〜

2011/4/29(金) ~ 2011/7/29(金) の期間で、全12回にわたって行われる東日本大震災被災者支援のためのチャリティ・マラソン・コンサート 「祈りから光りへ」の中のコンサートに出演します。

明日への道〜17世紀イタリア・スペインの器楽作品〜

<日時>
6月10日(金) 18:30開場/19:00開演
中渋谷教会

<出演者>
Medio Registro
リコーダー:古橋 潤一
ヴァイオリン:山内 彩香
セルパン:橋本 晋哉
パーカッション:角銅 真美
オルガン&ルネサンスハープ:能登 伊津子

<プログラム>
タルクィーニオ・メールラ:カンツォーネ「道」
Tarquinio Merula : Canzone La Strada
セバスティアン・アギレーラ・デ・エレディア:第4旋法によるティエント
Sebastian Aguilera de Heredia : Tiento lleno de quarto tono
タルクィーニオ・メールラ:カンツォーネ「ラ・トレッカ」
Tarquinio Merula : Canzone La Treccha
ファン・バウティスタ・ホセ・カバニーリェス:第2旋法による2つの上声部の為のティエント
Juan Bautista José Cabanilles : Tiento partido de dos tipres de segundo tono
ビアジオ・マリーニ:「モニカ」のテーマによるソナタ
Biagio Marini : Sonata sopra la Monica
ディエゴ・オルティス:レセルカーダ 第1番
Diego Ortiz : Recercada Primera
ファン・バウティスタ・ホセ・カバニーリェス:コレンテ・イタリアーナ
Juan Bautista José Cabanilles : Corrente Italiana
ビアジオ・マリーニ:パッサカリオ
Biagio Marini : Passacaglio
バルトロメオ・デ・セルマ・イ・サラヴェルデ:2声のバスの為のカンツォン第13番
Bartolomeo de Selam y Salaverde : 23.Canzon à2 Decima Terza
リカルド・ロニョーノ(原曲 チプリアーノ・デ・ローレ):「別れの時には」によるディミニューション
Richardo Rogniono : Ancor che col partire
ジョバンニ・バッサーノ(原曲 クレメンス・ノン・パパ):「元気溌剌」によるディミニューション
Giovanni Bassano : Frais et gaillard
セバスティアン・アギレーラ・デ・エレディア:第8旋法による戦いのティエント
Sebastian Aguilera de Heredia : Tiento de Battalla 8 tono

支援費
各コンサート・お一人様          1,500円
全コンサート共通チケット10枚券   10,000円
お問い合わせ 
tel : 080-3422-2699 (平日 10:00~12:00、14:00~15:00)
E-mail : inori.concert@gmail.com

主催
東日本大震災被災者支援のためのチャリティ・マラソン・コンサート実行委員会

協賛
東京YMCA学院、キリスト教放送局FEBC、キリスト新聞社、日本トランペット協会

収益金は、日本キリスト教団、日本赤十字社を通して、被災者にお届けします。

2011年6月 7日

ノーノ終演

nonogp.jpg昨日のノーノの演奏会にお越しいただいた皆様、ありがとうございました。現代物に手を染めてから(?)というもの、「この曲だけはやっとかないと死に切れないリスト」の上位を常にキープしつつもなかなか機会がなかった「ドナウのための後-前-奏曲」を演奏するチャンスをいただけて、大変嬉しかったです。有馬さん、関係者の皆様、ありがとうございました。これからも再演に努めていきたいと思います(乞う演奏依頼!)。

nonosco.jpg一枚目の写真はゲネプロ時のセッティング、二枚目は譜めくりの関係から後半部分をメモ書きしたもの。文字情報にするとこれだけになってしまうのが逆に凄いですね。前半部分もそうなのですが、非常に複雑な音響でときに楽譜から逸脱するような解釈を孕みつつ、楽譜として書いたときにはこのようなシンプルな形をとらざるを得ない、それでいてはっきりとした作曲家の個性がみえるというのは面白いと思います。

2011年6月 5日

06/05 ノーノ「ドナウのための後-前-奏曲」日本初演

ノーノ・フライヤー「チューバのために書かれた現代音楽といえば?」と問われれば必ず挙げられる割に今まで日本で演奏の機会の無かったルイジ・ノーノ(1924-1990)のチューバとライヴ・エレクトロニクスのための「ドナウのための後-前-奏曲」を、有馬純寿さんという理想的なパートナーと共に、日本初演できることとなりました。
日本大学芸術学部の博士課程に在籍中の作曲家山口紘さんの研究テーマであるルイジ・ノーノの後期について、レクチャーコンサートという形で代表作である「ドナウのための後-前-奏曲」と、ヴァイオリンとテープのための「未来のユートピア的ノスタルジー的遠方」が演奏されます。現在鋭意準備中、こうご期待!

ルイジ・ノーノ作品演奏会
2011年6月5日(日)19時開演
入場無料
日本大学芸術学部江古田校舎東棟6階音楽小ホール
http://www.art.nihon-u.ac.jp/access/

ドナウのための後-前-奏曲(1987)
未来のユートピア的ノスタルジー的遠方(1988-89)
Tuba 橋本晋哉、Elec 有馬純寿、Vn 中澤沙央里、Interpretation 山口紘

企画 山口紘
共催 Opus-Medium, ont-Amu
お問い合わせ music.hy14@gmail.com