トップページへ

軍隊のセルパン

S.H.blog » セルパン通信 » 軍隊のセルパン

Piffaultserpent militaire.JPG先日アップした浜松市楽器博物館のセルパンのなかで、ちょっと変わった形のセルパンがありました(右写真)。
クローズド・キイが3つ付いていますが、これは上からH,F#, C#と思われます。なんだか変な形ですが、こういった形にすることによって、サクソフォンと同じような姿勢で構えることが出来るようになり、軍楽隊の中で行進や立奏がやりやすくなります。この後、バスーンのようにV字に折り曲げることで、縦型のセルパンが作られるようになりますが、それはまもなくオフィクレイドへと発展していきます。
帰宅して手元の資料を見返すと、左の写真のようなイラストが出てきました。
1810年頃にパリで出版された「セルパン教本」の中で紹介されているこの楽器は、ピフォー(Piffault)によって1806年に発表されたもので、これが「軍隊セルパン」serpent militaire と呼ばれる最初のセルパンのようです。似ている、といっても細部は全然異なりますね。それぞれの博物館のセルパンは似ているようで細部が全然異なっていたり、見た限りでは18世紀のものが見当たらなかったり、結構知りたいことが満載です。

« 前の記事へ

次の記事へ »

トップページへ