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「ハルモニカ覚書」その5:何故チューバなのか?

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「ハルモニカ」のリハーサルが東京オペラシティに場所を移して始まりました。
先だってラッヘンマンさんとの一対一のリハーサルのときに、ちょっとした質問をしました。
「何故チューバのコンチェルトなんて書いたんですか?」
結構自虐的な質問ですが、常日頃レパートリーに飢えている我々としては、何ゆえソロ楽器としてチューバを選んだのか、ちょっと不思議だったわけです。
お話では、今回も同じ演奏会で演奏される、クラリネットとオーケストラのための「アカント」が端緒だったとの事。この曲のオーケストラの中のチューバパートには、楽器の中でテキストを喋る、ちょっと特殊で、重要なパッセージが書かれています。初演のときにこのパートを受け持ったのが、リヒャルト・ナハツキさんで、それがとても効果的だったそうです。それをきっかけにチューバに興味を持ったラッヘンマンさんとナハツキさんの間に、じゃあチューバの曲も書いてよ、といったやり取りがあり、7年後の1983年に「ハルモニカ」の初演がナハツキさんの手によって行われました。

どこにきっかけが転がっているか判らない、面白いお話だと思います。

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