-Tuba Eccentric-

BERNSTEIN, Leonard レオナルド・バーンスタイン (1918-1990)

曲名 Waltz for Mippy III
「ミッピー3世のためのワルツ」
出版社 Boosey & Hawkes
出版年 1950
編成 tuba(要ミュート), piano
時間 5'
音域 B - e'
備考 ミッピー三世とは彼の兄であるBurtieが飼っていた雑種犬の名。曲は兄に献呈されている。跳躍のあるパッセージを除けば、テクニカル的には極めて平易な作品。終結部のみミュートが必要。余談だが関連する曲としてホルンとピアノのための"Elegy for Mippy I" 、トロンボーンのための"Elegy for Mippy II"が挙げられる。
リンク The Official Leonard Bernstein Web Site (公式サイト)
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BALLIF, Claude クロード・バリフ (1924-2004)

曲名 Solfeggietto No.7 pour tuba contrebasse
コントラバス・テューバ・ソロのための「ソルフェージェット」第7番
出版社 Durand
出版年 1988
編成 tuba(要ミュート)
時間 6'-15'
音域 C♯ - b♭' (voice; E - g')
備考 作曲は1980年の4月。メル・カルバートソンとジェラール・ビュッケに献呈。
「コントラバス・テューバ」、つまりC管かBb管が指定されているが、pppppのダイナミックス指示、様々な装飾音符の音の跳躍などから見て、コントラバス・テューバを使う意味を積極的に見出す事は出来ない。6曲の小曲からなるこの曲は、その中からの抜粋の仕方(2曲から全曲)、演奏の順序で幾つかのバージョンが示されている。スラップ、ハーフヴァルヴ、重音、微分音程など、基本的な現代曲の特殊奏法はほぼ必要となる。
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CAVANNA, Bernard ベルナール・カヴァナ (1951-)

曲名 Pompes et pistons, (avec lèvres) pour tuba
テューバ・ソロのための「ポンプ、ピストン、(唇と共に)」
出版社  
出版年 2005
編成 tuba
時間 8'
音域 FFFF - a♭' (voice; c - c')
備考 作曲は2005年の4月。パリ国立高等音楽院の卒業試験課題曲として委嘱された。タイトルはエルガーの「威風堂々(pomp and circumstance=堂々たる威儀)」のフランス語 Pompes et Circonstances とテューバ、奏者のそれぞれの部分(ポンプ=肺、ピストン、唇)を引っ掛けたものと思われる。
スラップ、ハーフヴァルヴ、重音、微分音程など、基本的な現代曲の特殊奏法はほぼ必要となるが、曲のエクリチュールは極めて伝統的。2つ目のセクションはギョーム・ド・マショーの「ノートルダムのミサ曲」からの引用。初稿と出版譜では第二楽章を主として幾つかの変更が見られる。
リンク Bernard Cavanna (biography)

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FELDMAN, Morton モートン・フェルドマン (1926-1987)

曲名 Durations 3 for violin, tuba and piano
ヴァイオリン、テューバ、ピアノのための「デュレイションズ」第3番
出版社 Peters
出版年 1961
編成 tuba(要ミュート), violin, piano
時間 15'
音域 F♯' - g'
備考 ここでの"duration"とは(音の)「持続時間」を意味する。slow - very slow - slow - fastの4楽章それぞれの冒頭において、各奏者は演奏を同時に始めるが、その後のテンポ=音の持続時間は個人個人に委ねられており、それによって生じるずれが非常に美しい効果を生む作品。テューバは全楽章ミュートの指示があるが、ヴァイオリン、ピアノともに最弱音で、それらとのバランスではかなり神経を使う作品。
リンク sheetmusicplusへのリンク(楽譜)
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GLOBOKAR, Vinko ヴィンコ・グロボカール (1934-)

曲名 Jurirituba ïoka pour tuba et piano
テューバとピアノのための「ジュリリチューバイオカ」
出版社 Ricordi
出版年 1996
編成 tuba, piano
時間 12'
音域 high possible - low possible (voice; B - e')
備考 初演は1997年9月、フランスのゲブウィラー(Guebwiller)にて。François Thuillier (Tub.), Marc Kennel (Pf.)。金管のコンクールで知られるゲブウィラーのテューバ部門が行われたのに際して作曲された(正確を期すと、課題曲になったわけではなく同時に行われたフェスティバルで初演された)。そういうコンテクストがある経緯からだろう、曲中ではヴォーン・ウィリアムズやヒンデミット、レベデフと言ったコンクールでよく取り上げられるレパートリーが引用され、またところどころで悲喜交々、といったコンクール的情景を連想させる部分も見受けられる。彼のほかの作品同様、吸気による発音等特殊な奏法が要求される。ピアノパートにも内部奏法あり。
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GORECKI, Henryk Mikolaij ヘンリク・ミコワイ・グレツキ (1933-)

曲名 Aria (scenea operawa) op.59 for tuba, piano, Tam-tam and Bass Drum
テューバ、ピアノ、タムタム、バスドラムのための「(オペラの情景的)アリア 作品59」
出版社 Boosey & Hawkes
出版年 1994
編成 tuba, piano, tam-tam, bass drum
時間 15'
音域 C - f♯'
備考 初演は1991年5月30日、アムステルダム(作曲は1987年)。器楽曲ではあるが、破棄されたオペラの断片に関連したタイトルとなっている。全体を通してテューバがシンプルな「うた」を紡ぎ出す構成で、ピアノ、そして終盤に現れる打楽器はレゾナンスとして作用している。音域的にはコントラバス・テューバが望ましく思われるが、15分間低いピアノから高いフォルテへとひたすら上昇していくため、かなりのスタミナが必要。
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JARRELL, Michaël ミカエル・ジャレル (1958-)

曲名 Assonance IV pour tuba, alto et électronique en direct (ad libitum)
テューバ、ヴィオラ、ライブエレクトロニクスのための「アソナンス IV」
出版社 Editions Henry Lemoine
出版年 1993
編成 tuba(要ミュート), viola, dispositif électroacoustique (ad libitum)
時間 8'
音域 C' - a' (voice; B♭ - f'')
備考 アソナンスとは日本語では「音の類似;韻類韻」と訳される。ジャレルはこのタイトルに拠る(ソロ曲からアンサンブル曲にわたる)シリーズを現在9曲作曲している。1990年にアンサンブル・アンテルコンタンポランの委嘱により作曲され、ジェラール・ビュッケ、ガース・ノックスによって初演された。任意でライヴ・エレクトロニクスを使う事が指定されている。曲は4つのセクションから成っており、両楽器(若しくは音域)でよく似た音程が「重ねられ」、「繋げられ」、僅かに「ずらされて」展開してゆく。ヴィオラ、テューバの2つの楽器のデュオではあるが、ヴィオラで2声、テューバ(+声)で2声の計4声部が扱われており、同時に各声部でのテンポも独立して設定されている部分も見られる。
リンク Henry Lemoine (出版社のサイト)

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JOHNSON, Tom トム・ジョンソン (1939-)

曲名 Monologue for tuba solo
テューバ・ソロのための「モノローグ」
出版社 Editions 75
出版年 1976
編成 tuba
時間 7'
音域 F♯' - c♯'
備考 初演は1978年4月20日、ニューヨークにて。ソリストはCharles England。
英語のテキストを伴うテューバソロの作品。内容は楽器との交友関係について(?)のほのぼのとしたものだが、実際に指定テンポで発音しようとするとかなりの努力を要する。
リンク Editions 75 (作曲者/出版社のサイト)

曲名 Tilework for tuba solo
テューバ・ソロのための「タイルワーク」
出版社 Editions 75
出版年 2003
編成 tuba
時間 8'35''
音域 F' - f♯
備考 音域やテンポに関して言えば、難易度は決して高くない。特殊奏法も用いられていない。しかしながらミニマル風に書かれた全般を通して、特に四声のカノンを吹き分けたりするのはかなり高度な音楽表現を必要とされる。
リンク Editions 75 (作曲者/出版社のサイト)

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KAGEL, Mauricio マウリシオ・カーゲル (1931-)

曲名 Mirum for tuba solo
テューバ・ソロのための「ミルム」
出版社 Universal
出版年 1974
編成 tuba
時間 8'
音域 C' - g'
備考 作曲は1965年。テューバ→ミルムという発想はかなりベタな割りに結構多く見受けられるタイトルであるが、テューバソロの現代曲のなかで最も成功している曲の一つ(と思う)。この曲の中ではモーツァルトのレクイエム中のパロディが散見される。彼の本来持つ個性とテューバが本来持つキャラクターとが見事に一致。後半にテキスト朗読が付されており、演劇的要素も必要とされる。
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MATSUDAIRA, Yoriaki 松平頼暁(1931-)

曲名 Simulation for tuba
テューバのための「シミュレーション」
出版社 Suvini Zerboni
出版年 1975
編成 tuba
時間 10'
音域 Bb' - bb'
備考 作曲は1974-75年。75年のISCM主催音楽祭入選曲。初演はギリシャ人のテューバ奏者ヤニス・ズガネリス Yanis Zouganelisによって行われた。音高、奏法がほぼ確定されているが、時間軸においてはそれぞれのイヴェントの開始、及び終了時間のみが記されている。各イヴェントでは演劇的要素や動作、重音、各種のミュート(及びミュート的なもの)、と言った特殊な要素が多く、また、いくつかのイヴェントにおいては奏者が任意に決定するものもあり、タイトルに見られるように、それら複雑な事象・システムを定式化して行う模擬実験=シミュレーションの様相を呈している。曲中で用いられているテキストは、古代アテナイの三大悲劇詩人のひとりであるアイスキュロスの「エウメニデス」(「オレステイア」の第三部)より採られている。(因みに、このテキストは初めて「ラッパ」という言葉が出てくる文献とのこと。)
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PENDERECKI, Krzystof クシシュトフ・ペンデレツキ (1933-)

曲名 Capriccio for tuba solo
テューバ・ソロのための「カプリッチオ」
出版社 Schott
出版年 1980
編成 tuba
時間 4'-6'
音域 high possible - low possible
備考 初演は1980年7月20日、クラコウにて。ソリストはCdzislaw Piernik。
テューバのための無伴奏曲としては最もスタンダードで演奏される機会も多いが、テンポ一つをとっても各地、各人での解釈の差が著しい。小節線は引かれていないが「ポラッカ風スケルツォ」に挟まれる第二部、第三部(ワルツ)をもつa-b-c-a'の比較的判り易い形式。第一部終結部の幾つかの音を除いた音域はD' -g♭'。
リンク Krzystof Penderecki (公式サイト)
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REBOTIER, Jacques ジャック・ルボティエ (1950-)

曲名 Pourquoi tu m'aimes plus? pour tuba
テューバ・ソロのための「どうしてもう俺の事愛していないの?」
出版社 Ambrioso
出版年 1991
編成 tuba
時間 5'
音域 E' -e♭' (voice; g - b')
備考 本来はスペクタクル"Zoo Muzique"(音楽動物園)の中の60数曲ある小品の中の一曲。タイトルにあるようなどうも一戦起こりそうな雰囲気のテキストが全体を支配している。特殊奏法も幾つか用いられる(重音、スラップ、四分音)。テキストの中の母音子音とテューバの音の組み合わせが見事。
リンク Jacques Rebotier (公式サイト)

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SCELSI, Giacinto ジャチント・シェルシ (1905-1988)

曲名 Maknongan pour un instrument grave ou voix de basse
低音楽器もしくは男声(バス)のための「マクノンガン」
出版社 Salabert
出版年 1986
編成 instrument grave ou voix de basse
時間 4'
音域 g -a'
備考 作曲は1976年。テューバ、コントラバスーン、サクソフォーン(バリトン、バス、コントラバス)他、全ての低音域の楽器もしくは男声のために書かれた小品。注意書きによると曲中のcupo(dark)とchiaro(clear)の音色の差を得るために何らかの工夫をする事が望まれている。例えばテューバであれば開閉式のメカニズムのあるミュートを開発する事とあるが、あまり現実的では無いだろう。楽器によっては移調する事も薦められている。音域はほぼ一オクターヴ内に収まっているが、実際はg-aの間の微分音も含む微細な揺れの中で曲は進行する。下に挙げた参考CDではコントラバス、バス(声)、テューバの各ヴァージョンが聴ける。
リンク sheetmusicplusへのリンク(楽譜)
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USTVOLSKAYA, Galina ガリーナ・ウストヴォルスカヤ (1919-2006)

曲名 Composition No. 1 "Dona Nobis Pacem"
コンポジション第一番「我等に平安を与えたまえ」
出版社 Hans Sikorski
出版年 1993
編成 tuba, piccolo, piano
時間 22'
音域 F' -d♭'
備考 作曲は1970-71年、初演は1975年、レニングラード(現サンクトペテルブルグ)。現在3曲ある「コンポジション」シリーズの第一曲目。第二番Dies irae「怒りの日」(8cb.,perc., pf.)、第三番Benedictus, qui vent「来るものを誉め讃えよ」(4fl., 4bsn., pf.)らとともに非常に特殊な編成をここでも用いているが、そこに奇を衒った感は感じられない。第一番は高音域であるピッコロと低音域であるテューバの合い間にピアノが挟まれる、という編成であるが、彼女の特徴とも言える極度の緊張感をシンプルな楽譜の中に見事に封じ込んでいる。バランス的にはバス・テューバ、音域的に見ればコントラバス・テューバ、どちらでも演奏可能。
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更新日時: 2008年03月28日 23時28分
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