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ワーグナー/エルザの大聖堂への行列

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"Elsa's Procession to the Cathedral" from "Lohengrin" (1848)
Richard Wagner (1813-1883)

エルザの大聖堂への行列
リヒャルト・ワーグナー

ドイツ・ロマン派音楽の劇的分野における頂点に立つ作曲家、リヒャルト・ワーグナーの楽器法の特徴の一つとしては、オーケストラの中の管楽器編成を大幅に拡大し、それらを非常に効果的に使用しているという点が挙げられる(「指輪」の管楽器の編成の影響を受けてフレデリック・フェネルが「ウィンド・アンサンブル」を提唱した話は有名である)。その彼自身も式典用ではあるものの、葬送音楽WWV.73、感謝の行進曲WWV.97の2曲を吹奏楽曲として残している。
この《エルザの大聖堂への行列》は、歌劇《ローエングリン》 Lohengrinの第2幕で貴族が居並ぶ中、エルザが神に祈りをささげる為に行列を従えて大聖堂へ入場する場面での音楽である。曲は終止荘重なテンポを取り、冒頭のコラールに始まる音楽は楽器法、ダイナミックスの継続的な拡大を経てトゥッティのfffによって終止する。ルシアン・カイエ Lucien Caillet によるこの場面の吹奏楽への編曲版は、吹奏楽編曲作品の中でも最も成功したものの一つであり、演奏される機会は数多い。

(今までいろんな機会に書いた曲目解説。自分の演奏会のものの他、依頼された物も有りますので、テューバ以外の曲もあります。以前この類の情報を収集するのが結構面倒くさかったため、何かの役に立てばと思いここに掲載します。転載自由。)

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