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ヴェーバー/クラリネットと管弦楽の為の小協奏曲

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Concertino für Klarinette und Orchester op. 26 (1811)
Carl Maria von Weber (1786-1826)

クラリネットと管弦楽の為の小協奏曲 変ホ長調 作品26
カール・マリーア・フォン・ヴェーバー

 歌劇《魔弾の射手》 Der Freischütz の作曲者として有名なヴェーバーとミュンヘンの宮廷管弦楽団のクラリネット奏者ベールマン Heinrich Joseph Barmänn (1784-1847)の出会いは、クラリネットを独奏楽器とする幾つかの室内楽曲、協奏曲を生んだ。この小協奏曲はその一連の作品群の最初のものにあたる。
 この曲はベールマンの委嘱によって作曲されたのだが、完成したのは初演の3日前だったという。にも関わらず、1811年4月5日のヴェーバーの自作による演奏会においての初演は大成功であった。この演奏会に臨席していたバイエルン国王マキシミリアンは大いに感動し、新たに2曲のクラリネット協奏曲をヴェーバーに依頼している。なお、曲はベールマンに献呈されている。
 この曲は切れ目なく続く3つの楽章から成っている。第1楽章はハ短調、4/4拍子で、序奏的な役割を果たしている。変ホ長調、2/2拍子に変わる第2楽章は、オーケストラのトゥッティ(総奏)によって区切られる主題と4つの変奏の形をとっている。続く第3楽章は6/8拍子でロンドに近い自由な形を取っている。全楽章を通じて、ヴェーバーの歌劇作曲家としての筆致が見られ、ロマン的色彩感の溢れる作品となっている。

(今までいろんな機会に書いた曲目解説。自分の演奏会のものの他、依頼された物も有りますので、テューバ以外の曲もあります。以前この類の情報を収集するのが結構面倒くさかったため、何かの役に立てばと思いここに掲載します。転載自由。)

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