2000年10月 1日

ダンツィ/協奏交響曲 作品41

Sinfonia Concertante op.41(c.1814)
Franz Danzi (1763-1826)

協奏交響曲 作品41
フランツ・ダンツィ

 イタリア系ドイツ人作曲家であるダンツィは、マンハイム宮廷管弦楽団のチェロ奏者であった父の跡を継いで同楽団でチェロを弾いていたこともあって、同じオーケストラの管楽器の友人のために多くの協奏曲、室内楽曲を作曲している。また、親交の深かったウェーバーと共にロマン派のオペラ作曲家の先駆者として音楽史的に重要な人物である。今日彼の舞台音楽は全く忘れ去られているものの、全9曲の木管五重奏を含む室内楽曲は演奏される機会が多い。
 協奏交響曲(サンフォニー・コンセルタント)とは、特に18世紀の後半から19世紀の初めにかけて流行した曲種で、数個の独奏楽器を持つ交響曲と協奏曲の中間形態といえる。バロック時代の合奏協奏曲とその形態は似るものの、性格はむしろ独奏交響曲に近い。ダンツィはその生涯にこの編成によるものを4曲残している。この曲はフルート、クラリネットを独奏楽器としたもので、1814年に作曲されたものと見られている。この作品番号の41番は、出版社によってつけられたもので、彼の《ピアノと管楽器のための五重奏曲》を41番としているものも見られる。

(今までいろんな機会に書いた曲目解説。自分の演奏会のものの他、依頼された物も有りますので、テューバ以外の曲もあります。以前この類の情報を収集するのが結構面倒くさかったため、何かの役に立てばと思いここに掲載します。転載自由。)