2000年10月 1日

バッハ/種々のカノン BWV 1087

Vierzehn Kanons BWV 1087 (c1745)
Johann Sebastian Bach (1685-1750)

種々のカノン BWV 1087
ヨハン・セバスティアン・バッハ

 オルガンのためのたくさんのカノン風コラール編曲や《音楽の捧げ物》BWV 1079、《フーガの技法》BWV 1080における幾つかのカノンと並んで、バッハは一連のミニアチュア・サイズのカノンを書いている。それらはBWV 1072-1078、1086、1087として分類されているが、この中でもBWV 1087は特別なグループを形成している。正確な総題は《先行するアリアのはじめ8つの音符に基づく種々のカノン》とされており、その8つの音符 G-F#-E-D-B-C-D-Gは《ゴルトベルク変奏曲》BWV 988の主題を形成するアリアの第1-8小節のバス音である。バッハはこれを1745年頃、《ゴルトベルク変奏曲》の自家用保存本の余白に一続きのものとして書き込んだ。これら14のカノンのうちの2つは別の形でも伝えられている(第11曲=BWV 1077、第13曲=BWV 1076)。その他の12のカノンはその自家用保存本が1975年に発見されて初めて知られたものである。そのどれもが前述の8つの音符、その逆行型ののG-D-C-B-D-E-F#-G、反行型のD-G-A-B-G-F#-E-D、逆行反行型のD-E-F#-G-H-A-G-D及びそれらの拡大・縮小に基づく2声から6声のカノンとなっている。

(今までいろんな機会に書いた曲目解説。自分の演奏会のものの他、依頼された物も有りますので、テューバ以外の曲もあります。以前この類の情報を収集するのが結構面倒くさかったため、何かの役に立てばと思いここに掲載します。転載自由。)