2000年10月24日

モーツァルト/バスーンとチェロのためのソナタ K.292

Sonate B dur K.292(196c) (c1775)
Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)

バスーンとチェロのためのソナタ 変ロ長調 K.292(196c)
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト

 おそらく1775年ごろ作曲されたと思われるこの曲については、自筆譜、写譜は紛失している。最も古い資料は1805年以前に出版されたブライトコップ社からの全集であるが、下声部の使用楽器がチェロ、ファゴット、通奏低音のいずれかははっきりしない。(現在ではファゴットとチェロによって演奏されることが多い。)バイエルン選帝侯の侍従タデウス・フォン・デュルニッツ男爵(Thäddaeus von Dürnitz)の遺品の中から見つかったファゴット(バスーン)のための作品の一つと伝えられるこのソナタは、当時のミュンヘンを風靡していたフランス風ギャラント様式に忠実に従った協奏曲的な作品である。上声部であるファゴットが終始独奏楽器として活躍し、下声部は通奏低音風の単純な役割が与えられている。

第1楽章 アレグロ 変ロ長調 4/4 ソナタ形式
      経過的な展開部を持つ簡素なソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ へ長調 3/4 ソナタ形式
第3楽章 ロンド アレグロ 変ロ長調 2/4 ロンド形式
      ファゴットの主題が4度回帰するフランス風ロンド。

(今までいろんな機会に書いた曲目解説。自分の演奏会のものの他、依頼された物も有りますので、テューバ以外の曲もあります。以前この類の情報を収集するのが結構面倒くさかったため、何かの役に立てばと思いここに掲載します。転載自由。)