2000年10月24日

メンデルスゾーン/2本のクラリネットとピアノのための演奏会用小品第1番

Konzertstück Nr. 1 f moll, op. 113 (1832)
Felix Mendelssohn Barthorldy (1809-1847)

2本のクラリネットとピアノのための演奏会用小品第1番 ヘ短調 作品113
フェリックス・メンデルスゾーン=バルトルディ

 ドイツ・ロマン派を代表するメンデルスゾーンのこの演奏会用小品は、1832年末から1833年冒頭にかけて作曲された。本来、この曲はクラリネットとバセットホルンの為に作曲されたものであり、当時の優れたクラリネット奏者で、彼の親友でもあったハインリッヒ・ベールマン Heinrich Barmänn とその息子でバセットホルンの名手でもあったカール・ベールマン Carl Barmänn が、1832年暮れに演奏旅行でベルリンに立ち寄った際、メンデルスゾーンに演奏会用の曲を依頼し、12月30日に完成されたものである。2日後の1月1日に試演され、その4日後には初演、好評を博したようだ。
 曲は短い3つの楽章からなり、急-緩-急の自由な構成を取っている。冒頭のファンファーレ的パッセージの後に出てくるテーマは、18世紀末のチェコの作曲家コズワラによるヒットソング《プラハの戦い》のテーマである。流れるような曲想、明るい雰囲気と、きわめて高度なテクニックで形作られていて、いかにもメンデルスゾーンらしい風格を持った作品である。

(今までいろんな機会に書いた曲目解説。自分の演奏会のものの他、依頼された物も有りますので、テューバ以外の曲もあります。以前この類の情報を収集するのが結構面倒くさかったため、何かの役に立てばと思いここに掲載します。転載自由。)