2000年10月26日

シュミット/協奏曲

Concerto (1975)
Ole Schmidt (1928-)

協奏曲
オーレ・シュミット

オーレ・シュミットはスウェーデンの作曲家で、ロンドン・シンフォニー・オーケストラとのカール・ニルセン Carl Nielsen の交響曲の録音で知られる指揮者でもある。オーケストラの金管セクションについての理解が深く、金管楽器のための作品を多く発表している。彼の作曲過程では、彼がジャズ・ミュージシャンとして出発したことからか、即興が大きな特色となっている。また彼の多くの作品は特定の音楽家との親密な共同作業によって作曲されることも同じように特色として挙げることができよう。 このテューバと管弦楽のための《協奏曲》について、彼は次のように語っている。

「この曲の初演は1976年の11月17日、コペンハーゲンにおいて、この曲を献呈されたミカエル・リンの独奏、作曲者自身の指揮するコペンハーゲン交響楽団によって行われた。この曲はAllegro moderato,Lento,Allegro guisto の3つの楽章からなっている。管弦楽伴奏の編成はフルート2、オーボエ2、クラリネット2、バスーン2、ホルン4、ティンパニ、打楽器奏者2、ヴィオラ8、コントラバス4で、ヴァイオリンは用いられていないが、高音域は木管楽器によって補われる。私の目的はこの曲を《暗い》色彩にすることであった。この曲はミカエル・リンの親密な協力を得て完成した。彼は現代のテューバ奏者が彼の楽器でどのようなことが可能かを披露してくれた。」
 曲は作曲技法的、構成的には従来の作法の延長線上にあるものの、作曲者の言葉にもあるように、リップトリルを用いた半音階進行、F-f2の3オクターヴにわたるアルペジオ~グリッサンド等のテクニックが用いられている点が注目される。

第1楽章 アレグロ・モデラート 4/4拍子
第2楽章 レント 4/4拍子
第3楽章 アレグロ・ジュスト 6/8拍子

(今までいろんな機会に書いた曲目解説。自分の演奏会のものの他、依頼された物も有りますので、テューバ以外の曲もあります。以前この類の情報を収集するのが結構面倒くさかったため、何かの役に立てばと思いここに掲載します。転載自由。)