2000年10月 1日

P. D. Q. バッハ/「オランダ」組曲

"Dutch"suite in G major (S-16)
P. D. Q. Bach (1807-1742?) Dredged up and edited by prof. Peter Schickele

「オランダ」組曲
P. D. Q. バッハ

 以下の文章は楽譜冒頭に表記されている前文の訳である。
 「P.D.Q.バッハの“オランダ"組曲について述べられることは“下の"(=nether)ようなことである。それはタイトルで述べられている国名であり、使用されている楽器の音域であり、この作品に対する霊感と職人精神の質であり、そして(おそらく)彼が作曲を行った場所(彼はほとんどの作品をピアノの下で作曲した)である。
 偉大なるJ.S.バッハの最後でありたった1人の子孫である彼がオランダを訪れたのは、十中八九、"偉大なる放浪の時代"であると思われる。
 1曲目を献呈されているミニュイット氏は現在のニューヨークを造ったピーター・ミニュイットの子孫であるかもしれないということは、全く如何わしいということではない。有名な画家であるルーベンスによって、P.D.Q.バッハの訪れる1世紀以上前に設立された動物園で見られる動物たちについて言及したのが、"黒豹の踊り"であるということもまた全く如何わしいということではない。"低地のフリング(活発な踊り)"(訳注:イギリスのhighland flingに似たものではないか)はよく知られている踊りで、オランダでは未だに踊られている。この踊りは普通海面下の土地で踊られ、"おじぎ"が特徴的である。J.S.バッハのフランス組曲やイギリス組曲に比べると些細でちっぽけなこの"オランダ"組曲は彼の長すぎた創作生活の中の"悔恨の時代"に作曲された。尚、彼の時代と現代のテューバには音量の点で大きな差があり、バランスを解決するために布でミュートされる。」
(訳注:本気にしないで下さい。)

(今までいろんな機会に書いた曲目解説。自分の演奏会のものの他、依頼された物も有りますので、テューバ以外の曲もあります。以前この類の情報を収集するのが結構面倒くさかったため、何かの役に立てばと思いここに掲載します。転載自由。)