2000年10月 1日

ボザ/金管五重奏のためのソナチネ

Sonatine
Eugéne Bozza(1905-1991)

ソナチネ
ウジェーヌ・ボザ

 フランスの作曲家、指揮者であったボザは、同時代の作曲家アンリ・トマジ Henri Tomasiと同じく、管楽器や管楽器を含む室内楽の演奏会のプログラムにしばしば登場する名前である。両人とも多様な編成の管楽器の為の作品を残しているが、《トランペット協奏曲》、《アルト・サキソフォン協奏曲》などが知られるトマジに比べて、ボザはこの《ソナチネ》のような小品の分野に多くの作品が残されていることは興味深い。
 彼は、2本のトランペット、ホルン、トロンボーン、テューバによる五重奏の編成の為に6曲の作品を残しているが、1951年に作曲された《ソナチネ》は、その中でも代表作といえよう。有名なギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団(フランス親衛隊軍楽隊) のメンバーによって委嘱されたこの曲は、Allegro vivo、Andante ma non troppo、Allegro vivo、Largo-Allegro vivoの短い4つの楽章から成っており、スケルツォ的な第3楽章では、ラヴェルの作品からの引用がみられる。各パートとも技巧的であるが、金管楽器の色彩感を感じさせる。

(今までいろんな機会に書いた曲目解説。自分の演奏会のものの他、依頼された物も有りますので、テューバ以外の曲もあります。以前この類の情報を収集するのが結構面倒くさかったため、何かの役に立てばと思いここに掲載します。転載自由。)