2000年10月 6日

ヒンデミット/朝の音楽

Morgenmusik (1932)
Paul Hindemith (1895-1963)

朝の音楽
パウル・ヒンデミット

 ヒンデミットは20世紀におけるドイツの主要な作曲家の一人である。この曲は1932年北ドイツの「プレーンの音楽の日 Pläner Musiktag」に際して書かれた種々の編成による一連の音楽の中のひとつで、この曲及び《食卓の音楽 Tafelmusik》、《カンタータ Kantate》、《夕べの演奏会 Abendkonzert》によって構成されている。《朝の音楽》の楽器編成はトランペット、ホルン、トロンボーン(いずれも複数)で、任意によりテューバが用いられ、中世ドイツの都市に於ける「塔の音楽」(市役所等の塔の上で演奏された合図、儀式のための音楽)を連想させる。4声部からなるこの曲は第1楽章(中庸の速さで)、第2楽章(歌)、第3楽章(動いて)からなるが、全楽章を通じて簡潔な書法で書かれており、古典への回帰や「実用音楽」の提唱といった当時の彼の作風が伺える。

(今までいろんな機会に書いた曲目解説。自分の演奏会のものの他、依頼された物も有りますので、テューバ以外の曲もあります。以前この類の情報を収集するのが結構面倒くさかったため、何かの役に立てばと思いここに掲載します。転載自由。)