2000年10月24日

ミヨー/フランス組曲

Suite Française op. 248 (1944)
Darius Milhaud (1892-1974)

フランス組曲
ダリウス・ミヨー

 第二時大戦の戦禍を逃れてアメリカに移住していた1944年に作曲されたこの組曲は5曲からなる。活き活きとした明るい《ノルマンディー》、静謐な《ブルターニュ》、力強く華やかな《イル・ド・フランス》、哀愁を湛えた《アルザス・ロレーヌ》、そしてミヨーの故郷であり、太鼓のリズムに合わせて笛が軽やかに歌う《プロヴァンス》。そのどれもが当時連合軍がレジスタンスと共にフランス開放を目指して戦った地名である。初演は1945年アメリカのゴールドマンバンドによって行われ、大成功を収めた。「フランス6人組」の作曲者によって書かれた数少ない吹奏楽曲の一つである。出版社からの依頼により、当時のアメリカのスクール・バンドの編成が用いられ、要求される演奏技術は平易に書かれているものの、「旋律」を自らの作曲の本質とする彼によって、各地の特色が極めて精緻に描き出されている。

(今までいろんな機会に書いた曲目解説。自分の演奏会のものの他、依頼された物も有りますので、テューバ以外の曲もあります。以前この類の情報を収集するのが結構面倒くさかったため、何かの役に立てばと思いここに掲載します。転載自由。)