2000年10月24日

リード/エルサレム讃歌

Prise Jerusalem! (variations on Armenian Easter Hymn) (1986)
Alfred Reed (1921-2005)

エルサレム讃歌
アルフレッド・リード

 アルフレッド・リードは、吹奏楽曲《アルメニアン・ダンス》、《オセロ》、《ハムレット》などが、現在我が国で演奏される機会が非常に多い作曲家で、彼自身もたびたび来日している。この《エルサレム讃歌》では、アルメニアの音楽学者ヴェルタベッド (1869-1935) が集めた7世紀頃のアルメニアのローマ教皇管区教会典礼聖歌集からキリストの復活を称えた讃歌が用いられている。
 この曲は、序奏、主題提示、5つの変奏とフィナーレから構成されている。序奏は木管の鋭い動きによって開始され、金管が讃歌によるテーマをうたう。フレーズの終わりにはトランペットによってファンファーレ風の楽句が挿入される。提示部では木管アンサンブルでテーマが美しく奏される。2/4拍子、アレグロの第1変奏、3/4拍子でハープやヴィブラフォンが効果的な第2変奏に続き、6/8拍子の行進曲風な第3変奏は切れ目なしで第4変奏に入る。ここではクラリネットとフルートによりカデンツァ風に自由に変奏される。カノン風な第5変奏を経てフィナーレではトゥッティでテーマが奏され冒頭のファンファーレも高らかに加わって華々しく終わる。

(今までいろんな機会に書いた曲目解説。自分の演奏会のものの他、依頼された物も有りますので、テューバ以外の曲もあります。以前この類の情報を収集するのが結構面倒くさかったため、何かの役に立てばと思いここに掲載します。転載自由。)