2002年1月31日

01月21日 (Mon)~01月31日 (Thu)

前半はシャルルロワ(Charleroi)での公演。先週と同じような一週間。時間はだいぶ取れるようになってきたので譜読みは(本当に少しずつだけれども)捗りつつある。
 譜読みの仕方というのは人それぞれ、曲によっても違うと思うんだけれども、今格闘中の曲はなかなか厄介。僕の個人的な方法としては、ぱっと見てまず出来そうなセクションを選んで、そこから前なり後ろなりに広げていくというもの。この時点ではテンポは指定の4分の1以下であることも多い。その中でニュアンス、アーティキュレーションなど、記譜してある事を全部同時にやりながら少しずつ(メトロノームで1ずつ)上げていくというもの。ある程度仕掛けが分かったらテンポをあげるスピードも速くなる(メトロノームで10ずつ)。その後で音程、リズム、アーティキュレーションなどの要素に分解してもう一回やっていく。これをいろんなセクションで細切れにやっていって最終的にくっつけていく。
 この時点では「ほんまにこんなんでだいじょうぶなんかい?」と不安に陥ることも多々あるけれど、結果的には一番の近道のような気がする。とかいって間に合わなかったりするとほんと困っちゃうんだけど。

まとめ

とにかく仕事、譜読み、仕事、譜読み。ベーシックな練習をしなかったツケは後々出てくるかもしれないけれど、心理的に圧迫されながら基礎練習をやっても捗らないだろう、との結論から今月は思い切って削除してみた。本当の話、ウォーミングアップすら殆どしない状況が多かった。
 もう一点、思い切ったこととしてはこれまで三年以上頑として変えなかったマウスピースを変更したこと。サイズも深さも全く違ったもので、危険極まりないとは思ったんだけれども今回の曲のことを考えてちょっと冒険してみることに。これが後々カオス的状況を作り出すもとになっちゃったんだけれど、この時点での選択としては正しかったと思う。とにかく音色や機動性は前のものより望んでいる方向に近くなったけれども、音程から何からもう殆ど別の楽器で譜読みをしている感じだった。両者の中間を取った折衷的なマウスピースを選ぶ、という手もあったんだけど、「どっちも中途半端」みたいになるのが凄く恐ろしかったので。まあこんな切羽詰った状況だったからこそこういう選択だったのかもしれない。
 演劇の仕事はこの後ももう少しだけ続く。すごく大変だったし拘束時間も多かったけれど、やってよかったか、と聞かれたらそれは勿論イエスだと思う。前述したとおり役者さんたちから学べたことは凄く多かった、ということともう一つ、同じ本番をかなり経験したということ。トータルで17回(これでも少ないほうだと思うけど)の本番の間如何にして神経を集中させるか、ということは片方で譜読みを続けていくときに凄く役立ったように思う。不思議なことに本番を重ねることで(特にそれ以外に練習をしなくても)クオリティーがあがっていく、という体験は非常に貴重だった。どうやら劇のほうは好評で来シーズンにブリュッセル、バルセロナ公演が決定したらしい。もう一回やると聞かれたら、それは勿論……イエスだと思う(ちょっと複雑)。

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