2002年10月 1日

To breathe, or not to breathe?

ここ2,3日はアーバンのペースを落として曲を重点的に練習(理由はチェック用の鉛筆を常に忘れたため。情けない)。
グロボカールの「レス・アス・エクス・アンス ピレ」のインストラクションの翻訳。ドイツ語なので一向に進まないのだがいくつかが判明。判明したところで果たして可能なのかどうなのか、ちょっと判断がつきかねる(結論から言うと、本人はしっかり出来ているので、全て可能な「はず」)。
その中のいくつかを挙げてみると

アンスピレ(吸って音を出す)
声(吸って声を出す)

アンスピレ+声(重音)
アンスピレ+フラッター
アンスピレのマルチフォニック

最初の二つは何とかできるし、アンスピレ+声の重音は理屈から言って可能だと思うんだけれど、フラッターに関してはどうやってやればいいのやら。マルチフォニックというのは声を使わずに唇と口内のバランスを変化させて重音を出すテクニックなのだけれど、これも「吸う」という行為でどこまでコントロールできるのか、想像もつかない。

取り敢えず当面の目標としてアンスピレとマルチフォニック(吐くほう)を音域、音量の面できちんとコントロールできるように練習すること。

少し横道にそれるけれどもこういった特殊奏法は楽譜にどう定着させるべきなのか、記譜法の問題から考えるとかなり難しいものがあると思う。スラップやマルチフォニックはきちんとした音程で記してあってもそれらは作曲者がどの程度の正確性を求めているのかはほとんどケースバイケースで、非常に厳格な音程を求めている場合と、「なんとなくその辺の音で」という(良い意味での)曖昧な感じをノーテーションする場合が、結果的に同じ記譜法になってしまう可能性が非常に大きいからだ。
同じような問題は特に息音の指定がしてあるときで、実際にその音高、音量がどの程度正確に必要なのか、譜面からは非常に判りづらい。吸っても吐いてもブレス音は出るわけだけれど、その辺りがきちんと記述されているのはかなり丁寧な作曲者で、そういった注意書きがない場合も非常に多い。吸うべきなのか吐くべきなのか。なんかハムレットみたいだけど。違うか。
こういった場合直接作曲者とコンタクトをとって、そこから新しい可能性が出てきたりすることもあって、それはとても楽しいことなんだけれど、記譜法の問題はいづれきちんと整理してみる必要があるのかもしれない。

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