2003年3月 6日

再び基礎練習。(~2月2日)

 またまた年末進行が続いていて、ようやく一息ついたので総括。
 1月後半から2月にかけてはルーアンのオペラのエキストラ。曲はヴァーグナーのトリスタンとイゾルデの前奏曲。2月末のコンクールまではまだ少し時間があるので、もう一度基礎的な奏法を見直すことに。本当は最近アップした四分音の練習をしようと思っていたんだけれど、四分音の基本となるべき普通の音が上手くコントロールできていないと、その間の音程を取っていくことは非常に困難だからだ。以前より中音域の音程がうわずる癖があり、それをいちいち唇でコントロールしながら吹いていたので、この機会に一つ一つ見直してみることに。どういうわけか音程が安定しない音は生の音をベルの近くで吹いていて音程が合っているように感じても、部屋やホールの残響で返って来る音は高くうわずっている。方法はいたってシンプルで、一つの音を短く吹き、何回も繰り返して響きを確認する。長めの音にしないのは吹いている間に本来あるべきポジションからずれてくるのを防ぐため。ある程度確率が上がってきた時点で長さ、大きさにヴァリエーションをつけていく。練習を行う時点で気をつけるのは本当に基本的な点で、口の中をなるべく大きめに取る、ブレスを深く取る、体に無理な緊張をつくらない、といった事なんだけれど、これらを「本当に」実行するのはなかなか難しい(例えば、肩が緊張していたとして、それをリラックスさせることによって逆の方向に緊張が作られることもあるからだ)。もともと長い間で作られた癖なので、よい方向に持っていくのにはかなり時間がかかるし、現時点ではかなりの違和感もあるのだけれど、一時間くらいこの練習をやっていると、いくつかの音ではかなりの違いが見られる。もう一点気をつけるべきことは、それら一つ一つの音の吹き方を全体の音域の中で一貫性を持たせること。ある音と別の音がそれぞれに上手くコントロールできても、繋ぐときに大きな緊張を強いられるのであれば、それらのポジションは間違った道筋への道標になってしまう。
 2月には入るとコンクールとコンチェルトの準備でまたこの類の練習と疎遠になってしまうけれど、3月以降に重点的にやるべき練習。