2008年2月14日

セルパン教本

最近、メトワイヤンのセルパン教本 Jean-Baptiste Métoyen, Ouvrage Complet pour l'Éducation du Serpent, Éditions Musicales Européennesを手に入れました。以前からパリ国立図書館にあるこの教本の手稿のコピーを持っていたのですが、何しろ手書きのフランス語でどうにも読む気になれなかったこともあり、注釈までついたこの版はこれからも重宝しそうです。

この版では、もともとの手稿が何故出版されなかったのか、その背景について述べられていると共に、2種類ある手稿を比較して完全版としているあたり、(いったい誰が使うのかという素朴な疑問は置いておいて)中々の力作です。中身自体は現在色々な楽器で用いられているようなエチュード、デュオが主ですが、セルパンという楽器の本分であった教会音楽の分野で、どのように即興を行うべきか、という非常に興味深いセクションも設けられており、セルパン研究(ってくどいようですが誰がやるのかという素朴な疑問は置いておいて)において重要な一冊となることでしょう。

これからも折に触れてこの教本について取り上げていきたいと思っています。