2000年10月26日

スティーブンス/古いスタイルによる変奏曲

Variations in the olden style (d'après Bach) (1989)
Thomas Stevens (1938-)

古いスタイルによる変奏曲
トーマス・スティーブンス

 トーマス・スティーブンスは作曲家としてよりも寧ろロサンジェルス・フィルハーモニックの主席トランペット奏者として知られている。ビックバンドの編曲が彼の作曲活動の原点となっているが、1970年から再び始められた作曲活動では主にトランペットのための作品を発表している。彼はこの曲について次のように述べている。
「この小品は私の同僚であるロジャー・ボボ Roger Bobo(1980年代までロサンジェルス・フィルハーモニックに在籍していたテューバの世界的名手)のために作曲された。トランペット奏者がリサイタルで欠かすことのできない18世紀のソナタや伝統的な音楽を有しているのに対して、1830年代に発明されたテューバは独奏分野においてこの種の基本的なレパートリーを持たない。この《古いスタイルによる変奏曲》は、2世紀過ぎ去った後ではあるが、この分野に新しい作品を提供する試みとして作曲された。曲の構成は、バッハのフランス組曲第6番のポロネーズに基づくテーマとその変奏からなっており、その変奏は作曲技法的にはコレルリのヴァイオリンソナタやヘンデルの鍵盤作品のそれに基づいている。この曲はテューバと弦楽合奏、通奏低音の編成のものと、鍵盤楽器による伴奏のものの2種類がある。」

(今までいろんな機会に書いた曲目解説。自分の演奏会のものの他、依頼された物も有りますので、テューバ以外の曲もあります。以前この類の情報を収集するのが結構面倒くさかったため、何かの役に立てばと思いここに掲載します。転載自由。)