2001年8月31日

8月のまとめ

 8月はリサイタルも終わり、実家でのんびりと過ごしていたため簡略版でお届けします。
 前半の10日間は休暇として一切楽器を触らなかった。これだけ長期間楽器を触らないのは本当に久しぶりで、ひょっとすると楽器を練習したくてうずうずするんじゃないかとちょっと思っていたんだけれど、全然そんなことが無くって少し焦る。恐ろしいですね。3週目あたりから再び練習開始。実家は音を出せる環境ではないので、持ち帰ったサイレントミュートをはめての練習。休暇後なのですこしウォーミングアップもかねて、基礎的な音階のみ。サイレントミュートは(別に宣伝するわけじゃないけれど)練習場所の確保が難しい場合に本当に重宝する。以前の日記にも書いた(と思う)けれども、僕の楽器との兼ね合いもあってか、ハイノートはかなり下がる傾向にあるものの、これがあることによってできる練習もあると思う。僕の場合はオープンで吹くときよりも音のバラつきがかなりはっきりと出るため、息をちゃんと出しながらそういった凸凹を埋めていくことに焦点を置いた練習を行った。個人的な好みもあると思うけれども、僕はイヤフォンを通さずに直接ミュートされた聞いて練習しています。
 8月19日から22日は山口県秋吉台で行われた現代音楽セミナーにお邪魔しました。カーゲルの「ミルム」を演奏させてもらい、とても楽しい一週間。作曲家の方々とのお話はとても刺激になった。よく「(現代音楽において)テューバはどういった場合に使うと効果的なのか」という質問を受けるんだけれども、これは考えれば考えるほどなかなか難しい質問ですね。例えば同じ低音楽器族のコントラファゴットや、バストロンボーン、コントラバスといった楽器であれば、それぞれの特徴的な用法はすぐに頭に思い浮かぶし、そういったことは(もちろん)作曲家の方々も熟知なさっているんだけれど、同じ文脈でテューバは?と聞かれるとふと詰まってしまう。色々な特殊奏法を述べることはできるんだけれども、それを含めてオーケストラ作品の中でテューバでやると他の楽器でやるよりも効果的な用法、というのはまだ模索の段階なのかもしれない、とふと思ったりする。誤解を招く言い方かもしれないけれど。そういった意味でもいろいろな作曲家の方々と話し合う機会はとても貴重だった。
 とまあこんなところで新シーズンに突入します。

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